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湊を探すため外に出たはいいものの、皆目見当もつかない。
とりあえず、適当に町の方に出てみた。
湊らしき女を見つけては近付くけど、全て他人のそら似。
「手がかかるね、本当」
ため息が漏れる。
なんとなく露地の方に目をやると、数人の男達が入って行くのが見える。
まさか、ね……。あいつらに連れ去られたとかないよね。
こそこそとした様子で入っていく姿はとても怪しい。
そのまさかもあり得そうで、少しの距離を置いて男達の跡をつけることにした。
前を歩く男達は何かを話しているけど、会話までは聞こえない。
暫く歩くと、男達は空き家と思われるところに入っていった。
相手は四人か。もし湊がいたら、ちょっと分が悪いかな。
外の壁に耳をあて中の会話を聞く。
空き家の壁は薄く、会話ははっきりと聞こえてきた。
「まだ寝てますね。でも案外簡単に連れて来れましたね」
「腹が痛いって言ったら、"玄瑞のとこ行きましょう"って。隙だらけな女だよ」
多分、中にいるのは奇兵隊の隊士だ。
更に会話を聞くことにした。
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