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先に動いたのは相手だった。
刀を大きく振り上げこちらに向かってくる。
「そんな隙だらけな攻撃。受けるはずないよ」
「がはっ……」
胴に向かって刀を薙ぎ払う。
膝から崩れ落ちると、最初に斬った男の上に覆いかぶさるように倒れる。
「あとは君だけだよ」
「お、女はいいのか? 奥に連れていかれたぞ」
「はっ?」
振り向くと、湊が居ない。
そのことに気を取られていると、頬に痛みを感じた。
ツーっと流れる赤い液体。俺の血だ。
「本気で死にたいみたいだね」
今度はこちらから攻める。
相手に休む隙も与えず、どんどん壁際へと追い詰めて行く。
ドンッ
「もう、逃げ場はないよ」
「ま、待ってくれ! 俺は何も!」
「弁解する気? してもいいけど、君を殺すことに変わりはないよ。ただ少しだけ、生きる時間が長くなるだけだ」
腰を抜かして座り込んだ男の首を斬る。
ゴトリと首の落ちる音がしたけど、そんなの気にしている暇はない。
急いで奥の部屋へと向かって行った。
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