新蔵秤

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「くあ、」 …もう、朝か うっすらと差し込んでくる太陽の光に目をあけると最初に目に入ってきたのは ずっと昔だったか、おさななじみと三人で映った写真だった なつかしいな、 母さんがたたんだのか、きれいに置いてあったYシャツの袖に腕を通して 申し訳程度にねぐせを手でととのえる 「はかりー、朝ご飯できたわよー」 母さんのおおきな声に、まだうつろだった意識をカンペキにはっきりとさせて それでもまだおぼつかない足で階段をよたよた、と降りる あて、 若干つまづいた 「おはよう…」 「あらら、随分と眠そうなお顔だこと…早くご飯食べてシャッキとしなさい」 ぺしんっ、 こうやって母さんが容赦なく実の息子のほおをたたくのも毎朝恒例の行いだった 言う事もなく、痛い。 「さあさあ、早く行かないと遅刻するわよ」 おおう、気が付けばこんな時間だよーう 食器を水道まで持っていき、お気に入りの時計を腕に巻き付ける ぼろくなったもんだ、 ずっと、使ってるもんな… 「行って来ます、」 駆け足ぎみに、学校へと急いだ
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