新蔵秤

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「はよー。」 いくつかの返事がへにゃへにゃとした声で帰ってくる。 黒板の端、日直担当が二人が書かれるところに目をやると 自分の名前を見つけて、最悪と思ったのと 新蔵 黒崎 二つ並んだ名前に なんだか、わからないが不思議と嫌な気持ちはすっとんでいった。 「秤。」 ん、誰だろう。 そう思い、後ろを振り返り、心臓を跳ねさせた。 「あ、千尋…、」 「おう、日直よろしくな、サボんなよ。」 真っ黒 そう一言で表せる程、髪も純粋な黒で目を深く透き通った黒い 黒崎千尋(クロサキチヒロ) 高校に入って初めて知り合った、それなりに仲の良い男友達である そして 多分、俺の好きな人。
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