新蔵秤

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「そんな小っちゃかったら上の方届かねえだろ、やってやるよ。」 「うるさい。」 でも、これは実るわけなんてないし、実っていいわけがない 千尋は、男が惚れるぐらいだ、女子にも凄くモテる きっと彼女だって困ったことは無いと思うし、実際にいると思う だから、将来幸せな家庭を築いていく人だ 子供とかもできて、暖かい目で見守ってもらえて、苦労なんて感じないはずだ。 ふと上をみると、俺の届かなかった黒板上の文字が消えていく。 こうやって、俺の届かないところまでこの人にはいってほしい。 そうして、俺からどう手を伸ばしても届かないようになってほしい。 「ほら、消してやったぞ。」 行ってよ。 俺から、千尋の笑顔が見えないところまで 見えない壁が俺には辛い。
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