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サヤカが、一人の女子生徒のIDをクリックする。
クリックすると、そこにはおびただしい数の『情報』が書き込んであった。
基本情報はもちろんのこと。
誰にも知られたくない。変わった趣向や性癖のことなど。
「ターゲットになるとね。」
サヤカの顔がまともに見れない。
私の知らないサヤカの顔を、私はこの時、初めて見る気がした。
「こうやって、みんながその子について知ってることをカキコする。」
「どうして、そんな…」
「正確な情報ひとつにつき、ネットマネーが貰えるってこと。」
サヤカは当たり前のように説明をつづける。
これって、いじめ…
思い出しそうになった自分の記憶に私は蓋をする。
思い出したくない中学時代。
私は、記憶を消し去るように、首を横に振った。
「アリサ?」
サヤカに名前を呼ばれてハッとする。
サヤカに知られたくない中学時代のいじめ…
**☆*☆**
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