目覚め

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ーーーーーー 「すっかり遅くなっちまったな。」 早百合とヒデと別れ俺は今家への近道を走っていた ここの道は車がめったに通らないから狭くても真ん中を走っていられる ピィィィィィ 「うわっ!?」 突如黒いワゴン車がものすごいスピードでこっちの道に入ってきた 俺は慌てて端によって避けた 「あぶねぇな・・・。・・・・ん?」 車内に何やら金髪・・・? どこかで見覚えのある・・・ 「まさか・・・。」 ここは一通りのない道 逃走用経路や隠れ家への移動には最適な場所だ それに東海林は大企業の一人娘 「もしかして誘拐・・・?」 とりあえずあの車を追うか 俺は肉体強化で走って車を追いかけた 俺程度の実力だと原付程度しか速度は出ないし、あまり持続性はない あまり遠くに行ってないといいんだが 確かこの近くに廃工場があったな 廃工場につくと先ほどのワゴン車が止まっていた 「見つけた・・・。」 廃棄されたのに工場はぼんやりと明かりが灯っていた 俺は屋根に上り天窓から中をのぞいた 中には椅子に縛り付けられている東海林夕映の姿があった 「ビンゴかよ・・・。」 落ち着け・・・ 俺一人で行ったところで相手は複数 ここは警察を呼ぼう 俺は携帯を取り出した 「ん?」 「(まずいっ!」 犯人の一人がこちらに振り向いた 慌てて姿を隠す しかし不安定な場所なためバランスを崩し、携帯を落としてしまった 「(しまった・・・。)」
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