紅終章 それぞれの思い

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「そうだった……!! また、攻めて来るかも しれないから、こうして いられないんだっけ!! ありがと、明智姉ぇ!!」   そう言い残して、ヒデヨシは 再び、城内の見回りへと 戻って行った。   (……さて、私も明日の準備を 整えて、休むとするか)   ヒデヨシを見送った後 自室へと戻るミツヒデ。   その頃、ノブナガとモトチカは 酒を汲み交わしながら お互いの情勢について 話していた。   「ほぅ、お主。思っていたより 上戸ではないか」   「…………そうかしら? 土佐(とさ。高知県)国の人達 これ位、平らげちゃうけど? ……明智殿や豊臣殿は?」   「あ奴等は、駄目じゃ……。 ワシが付き合えと言っても ミツヒデは、半合……。 ヒデヨシに到っては一献で すぐ酔いよるから……」   「えっ、そんな少量で……!? それじゃ、張り合い無い じゃない!!」   「おぉ、分かってくれるか!? モトチカ……!!ならば 今宵は、上戸同士、徹底的に 飲み明かすぞ!!付き合え!!」   「勿論っ!!」   「ミ、ミィ……」 (わ、私は遠慮します……)   モトチカに飲まされた『ぐみ』は 高笑う二人の声を子守唄にして 眠る事にした……。
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