紅終章 それぞれの思い

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その頃、『榛名』や 将軍騒ぎから一時離脱し 長い間、留守にしていた 内政を優先に置いた 他の乙女達も動いていた。   信濃国(しなの。長野県) 川中島。   シンゲンとケンシンもまた ヒデヨシ達の所へ襲撃して来た 謎の軍勢相手に共闘して いたのだった。   「戻って来て、正解だったわね」   「……あぁ。俺達の留守中に 『佐久衆』が、再起して 脅かしてたなんて、思っても 無かったぜ……」   『佐久衆』(さくしゅう)とは 元々、信濃国を治めていた 豪族の一つであり、武田とは 戦で対立していた強敵だったが 真田の知略により、大敗。   結果、真田に下る者や 『真田に下る事は武田に下る事』 と拒み、浪人となって 信濃国から離れ、今では 散々となったのである。   「……しかし、『佐久衆』は 再起する為とは言え どうやって、あれだけの戦力を 蓄えてたんだ……? それに、あの面頬……」   「……えぇ。これじゃ、まるで ヨシテル様の時と同じね」   困惑する二人。   「全くだぜ。その二人とも 俺は、駿河で会っちまったし どうなってるんだか……」   「……駿河で!?ちょっと どういう事なの……!?」   駿河の事情を知らない ケンシンが尋ねる。
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