紅終章 それぞれの思い

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「あぁ。そう言やぁ、お前 駿河には居なかったか。 実はな……」   駿河で起きた一件について ケンシンに話す、シンゲン。   「……とまぁ、こんな事が 起きてたんだ」   「北条殿の考えが的中したわね。 やはり敵の狙いは 東海だったのね……」   「……しかも、敵の殆どは 将軍家絡みだからなぁ。 ノブナガは、将軍家を利用して 実権握ろうとしていたって 言う噂もあるし……。 ヨシモトに到っちゃ 『山中湖の戦い』で 基成殿に敗れてから 奴らと離反したようなもんだし 当然と言やぁ、当然か……」   シンゲンの話を聞いて 困惑するケンシン。   「……でも、動く理由としては 弱すぎる様な気がするわ。 今更、衰退した将軍家を 後ろ盾にして、ノブナガ殿や ヨシモト殿。そして イエヤス殿までを狙う なんて……。おかしいと 思わない……?」   「うぅん……、確かにな。 だが、奴らの理由は、どうあれ 現状を見る限りじゃ 俺達の知らない場所で 『何か』が起きてるって事は ハッキリしてるな……」   「……えぇ」   数刻前まで、攻めてきた 謎の軍勢による残骸と 爪痕を見つめる二人。
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