紅終章 それぞれの思い

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乙女動くなら、敵もまたしかり。   松永を筆頭とする、鬼灯、紫苑 オウガイ一派、そして 北条と同じく異世界から来た 毛利輝元が紀州の松永城に 集っていた。   松永城・一の丸。   「これは、これは……。 自慢の城も、形無しですね」   ヨシテル達と松永軍が 争った爪痕を眺めて 皮肉を放つ輝元。   「……私が、留守の間に 奇襲をかけられたのだ。 仕方無かろうっ!!」   「そうよ、貴方……!! 暗殺、失敗しておいて そんな言い草は無いでしょう?」   「……あら?そんな貴女も 人質逃がしてたんじゃ 同じでしょう……?」   松永を擁護する鬼灯と 輝元を擁護するムラサメが 対立する。   「なんですって!?」   「…………やめろ、鬼灯。 いがみ合っている場合か」   「紫苑……!!」   「まぁまぁ、ムラサメ殿。 ムキになると、折角の美貌が 台無しになりますよ……」   「輝元様……」   二人の間に仲裁として入る 紫苑と輝元。   「……だから、奴らは 一筋縄ではいかぬと 言ったであろう……? 多勢とは言え、我を一度 討ち負かせたのだからな」   開口する、オウガイ。
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