プロローグ

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「ねぇねぇ、お母さん! 何かお話して!」 「お話? そうね~、何の話がいいのかしら?」 そう言うと、娘は決まってこう答える。 「私ね、勇者様のお話がいいな!」 「また? しょうがないわね。さぁこっちで一緒に寝ましょう。そのときにお話してあげる」 私はベッドの端に体を寄せると、娘を手招きする。 「ほんと?」 娘は目を輝かせながら、飛び込むようにベッドの中に入るのだった。 一人だと少し大きなベッドも、二人だと小さい。 くしゃくしゃと娘の細い髪を撫でながら、私は口を開いた。
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