勇者様御一行

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「はは、そうだな。なるべく俺も争いは避けたい」 リヨと同じ茶色の髪に、神と同じ緑色の瞳。まだあどけなさが残る少年が明るく笑った。 彼こそ、世界が待ち望んでいる勇者様。彼の母親は単純な人だったのだろう、名前はユーシアという。 「はいはい、もうこの話は後でにしよ! とっとと倒してさっさと帰る。一番楽でいんじゃない?」 マリンが腰に手を当てて言った。 「同感だな」 「そうですね……」 すると、マリンはユーシアに向き合う。 「解除呪文、唱えていいでしょ? もうあたし、派手な呪文を唱えたくてイライラしてるの」 「マリンはほんと短気だな……。いいよ、好きにしなよ」 マリンはガッツポーズをした後、すぐさま黒く大きな扉に両手をついた。 扉には黒い竜の彫刻が施されており、いかにもラストダンジョンといった風格だ。 『我の前を阻むもの 我の未来を阻むもの 全て等しくその場を去れ! 解除呪文(カチャット)!』
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