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呪文!』
「あれ……?」
解除呪文は成功したはず。しかし、扉は開く様子がなかった。
「う、嘘? 何で? 呪文は成功したはずなのに……」
マリンは瞳に涙を浮かべ、頭を抱え込む。
「まさか……それほど破壊竜の魔力は……」
「そんなことない! 私の魔力、私の魔力は一番なんだから!!」
「おいマリン……」
ゼンが恐る恐るマリンの肩を叩いた。
「何よデカブツ!! もう一度、もう一度やるわよ!」
「聞けよ」
「何!?」
助走をつけてゼンは扉に蹴りを入れた。扉は鈍い音をたて、ボロボロと埃を散らしながらその固い口を開いたのである。
「この扉……初めから閉まっちゃいなかったのさ」
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