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「ひっでぇなマリン……。焼け死ぬ所だったぞ」
「あたしを馬鹿にした罰よ! 火力は抑えてあるから死にはしないわ」
「マリンさん……、ユーシアさんがいずれ死んじゃいますよ」
音もなく駆け寄ったリヨが、ユーシアに回復呪文をかける。
白くて優しい光は、ゆっくりとユーシアの傷を癒すのだった。
「ったく、イチャイチャするのは後にしろよ。さっさと行くぞ」
ゼンは軽い足取りで先に進んでいく。
「い、い、い、い、イチャイチャなんてしてない! あ、あ、あ、あたしはただ!」
顔を林檎のように赤く染め、マリンは両手をぶんぶんと振った。
「ユーシアさんは嫌がってる……だからこれはイチャイチャじゃない……」
リヨは俯き、周りに聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう呟くのだった。……若干病んでいる気がするのは気のせいだろう。
「俺、もう少しおしとやかな女性がタイプなんだよな」
明るく笑い飛ばしたユーシアに対する女性陣の反応は、まったくの正反対だった。
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