勇者様御一行

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リヨは小さく笑みを浮かべ、マリンは拳を強く握り締め、細かく震える。 「なんですって……?」 再び火炎球を作ろうとしたマリンを、ゼンが制した。 「何だか焦げ臭い……。火事か? 奇襲か?」 「本当だ何の臭いだろう。血なまぐさいような気もするな」 一同は鼻をひくつかせ、辺りをキョロキョロと見回す。 そして、一枚の扉の向こうから臭いが漂っていることに気がついた。 「この……向こうでしょうか」 「あら奇遇ね。あたしも同じことを思ってたわ」 ユーシアがゼンと目を合わせた。
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