プロローグ

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「むかーしむかしあるところに……」 昔々、この世界は神様と人間の世界でした。世界は平和そのもので、皆仲良く幸せに暮らしていたのです。 美しい花が咲き、綺麗な水はキラキラと流れ、動物は野原を駆け回り、人々は心からの笑顔を浮かべて暮らしていました。 しかしあるとき、神様の住む天界から一匹の竜が降り立ちました。 竜は漆黒の鱗に真っ赤な鋭い目、そしてとても大きな体をした竜でした。 神様とは少し違った見た目をしていましたが、人々はその黒竜を神の使いと崇め、人間界に来たことを歓迎しました。 でも、黒竜はこう言いました。 『天界の神にはもううんざりだ。だから私はこの世界を滅ぼすことに決めた』 この言葉には人々はびっくり仰天。誰かが黒竜に問いました。 「どうしてこの世界を滅ぼす必要があるんだ?」 黒竜は答えます。 『退屈だから』
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