第4話 写真

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第4話 写真

 いくつかメールを送ってみたが・・・返事が無い。  『シカトかよ・・・』  『仕方が無い・・また検索・・・』  『おや?』  あるプロフィールの最後の文に・・・目が釘付けになる。  ・・・・写真の無い方へのメールへは、返信しておりません。イメージがつかめないからです。・・・・  そう言われても・・・このサイトに登録している人達のほとんどに写真が無かった。有っても顔が小さかったり、風景の写真だったり・・・  『こんな私の顔を出したら・・・』もう初老の域に達している顔は、とても人様に・・・  いやいや・・・それでは、婚活をやる意味が無くなる。ここは思いきって・・・  翌日・・会社においてあったデジカメで自分撮り。早速、サイトにアップする。  『我ながら・・・なさけない。ふっ・・』  こんな写真で・・・そう思いながら、再検索・・・いない・・  『もう一度、(メールを)送ってみようかな・・・』  『いやいや・・未練がましい・・』  自分でも思うのだが、こういう意地が役に立った事がない。もっと素直になれば良いと思うのだが・・・・  『今日は終わり。』  それからしばらくメールも出せずに、検索、相手のプロフィールの閲覧の繰り返しをやっていた。  このサイト、相手のプロフィールを見ると自分の「足あと」が相手に残ってしまう。写真を載せたからだろうか・・・自分のプロフィールを見に来てくれる人が増えた。  『へえ・・・こんな写真でも 結構役に立つのか・・・』  勢いついた私は、会社の人に写真を撮ってもらう事にする。  「どうした?資格を取るのか?」  「そうさ。もうすぐ定年だろ、その前に・・・」  「そうか・・俺は、そんな気分じゃないよ。定年になったら好きな畑で・・」  こいつの家庭菜園の自慢話は、耳に・・・。    「ありがとうな。」  「ああ、資格が取れたら言ってくれ。俺の野菜でお祝いしてやる。」  「期待してくれ。」  『あいつ・・・これじゃ、資格申請に貼る写真じゃないか・・・』  本当の事を言えない私は、『仕方ない・・この写真で。』  別の婚活サイトに登録して、写真を掲載・・・。  『これで準備は出来た・・さあ・・』
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