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「運び出して構わないか」
「ああ。 話があるんだヤス」
竹山やシゲルを始めとする組員たちが病室に入って来た。
「チャンパー、頼む」
ヒロちゃんがそう言って差し出したGTRをのキーを、チャンパーが受け取り、階段を駆け下りていった。
そうか。
奴らに気付かれぬように離れたところに停めたのだ。
「美穂子を連れて帰る。純也、俺の車に乗せてくれ」
「え、もういいの?」
ヒロちゃんの言葉にあたしは驚いた。
「点滴も取れているし、ただ眠っているだけならばどこでも一緒だろう。それにな」
そう言ったヒロちゃんが、割れた窓を目顔で示した。
確かに。
美穂子さんもその方が嬉しいかも知れない。
「芽衣。頼んだぞ」
「うん」
遠くでエンジンの始動する音がした。
それを聞いて、あたしは美穂子さんからそっと毛布を剥いだ。
白地に大きな向日葵の柄がたくさん入ったパジャマを着せられていた。
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