物語 - 6章 - の続き

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 純也が美穂子さんを抱きかかえ、あたしは毛布を拝借し、遠藤さんを始めとする榊組の面々に黙礼をして病室を後にした。  表に出ると、チャンパーがGTRの助手席を開けて待っていた。  純也がそっと優しく助手席に寝かせ、あたしが毛布を被せた。  そして一度静かに閉じてから、残った隙間を埋めるようにしてドアを押し込んだ。  倒れたままのスクーターに向かうと、純也が先回ってそれを起こした。  そして、あたしが手にしていたキーでスクーターを始動さると、大きな体を縮こまらせてシートの前半分に座った。  あたしは黙ってその後ろ半分に座り、純也につかまった。  何だか少し嬉しい。  政やんに教わって、自転車の補助輪が取れたばかりの純也が、こうしてあたしを乗せてくれたあの頃を思い出す。  GTRを従えて少しだけ走るとスクーターが止まった。  「後ろからついてく。気をつけろよ」  純也の言葉と同時にあたしの浸っていた甘い思い出も停止した。  もう!
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