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真っ白な頭を強引に回して、回答を捻出しようと考えてみるが、
正答は何年なのだろう?
判らない。
無情にも十秒の制限時間は、回答を捻出する間に過ぎ去り、僕は奈落の底へ突き落とされた。
全問を誤答した罰は、極楽の様な褒美とは逆に、生きた儘地獄に逝ける、
最大の罰。
死をも超越する、恐ろしい世界だ。
僕は嗅覚と聴覚を同時に封じられ、滔々、鼻で呼吸や嗅気すら出来なく成り、先生の美声も僕の鼓膜には届かない。
そんな中、
しなる物が肌に接触した様な、鋭利な痛みが背中に迸る。背から胴に、胴から足に、絶え間なく、軽快なテンポで、リズミカルに、
痛みと同時に、
着ていた衣服がボロ切れの様に引き裂かれて行く事だけは、鞭の様な何かで打たれた部位から伝わって来る。
僕は声に成らない声を発しながら、悶え続ける事しか出来無かったが、打たれ続けて居る内に意識を失った。
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