密室講義

8/9
前へ
/9ページ
次へ
 一年後。  僕は、晴れて志望校に合格した。  先生が僕の家を尋ねて来た、彼の一日が在ったから合格出来たのかも知れないが、実は、彼の後も僕は密やかに勉強を続けて来たのも在るだろう。  然し、  彼の日、全身拘束と鞭打ちの体験が在ったからこそ、タイムリミットのお陰で、回答用紙の記入速度が早く成り、全身拘束されたお陰で、問題と回答が強烈に焼き付いて離れ無かった事は確かで在る。  流石、  指名率No.1。  合格率98.5%と謳われるのも頷けると言う物だ。  さて僕の進学先では、来週の日曜日、文化祭を控えて居るのだが、  僕は彼の濃厚な一日を提供して貰った御礼に、先生を文化祭にお招きしようと思う。  特製の粉砂糖を一袋、珈琲にブレンドし、其の後は、展示品のコーナーをじっくり、ゆっくりと、堪能して頂く予定だ…。  彼の日の講義をモティーフにした、  傑作“罪と罰―冷血なる天使は、かく舞い降りた”
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加