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すると早田君は
体を遮るように伸ばした
私の手を握り、下へと下げた。
「大丈夫です主任。
これはラジエーターの水が
蒸発しているだけです。
爆発の危険性は無いように見えます。
ですから早く中の人を」
そう言うと早田君は
すぐに車へと駆け寄った。
「あ、そうなのね。
誰か、誰かすぐに救急車をよんでください」
私はそう叫ぶと、早田君の
後を追い車内の人の救出へ向かった。
しかし、先に中を確認した
早田君は振り向き、私を見て首を横に振った。
車内は血で染まり、
勢いよくフロントガラスへぶつかったのだろう、
首から上は背中を向き、
右腕の肘から先が見当たらなかった。
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