帰ってきた男【Q 自殺か他殺】

5/11
前へ
/120ページ
次へ
声の方を振り向くと 香田さんと同じくらいの年齢だろうと思われる 男性が立っていた。 「あなたは?」 「権藤だ。 香田とは三階のカフェで十時に 待ち合わせておったんだが いくら待っても現れんから 様子を見に来たらこれだ。 一体何があったんじゃ」 カフェって…はいごめんなさい。 一通り聞いた話を記入すると、 私は現状の説明の為、車を確認してもらう事にした。 車内を覗き込んだとき ダッシュボード付近に見慣れない機械が あるのを見つけた。 「早田君、これって何の機械なの?」 「ああ、それは……」 「クルーズコントローラーですよ」 「え、」 早田君が答えようとした時 また別の誰かが割って入ってきた。 今日はよく人が集まる。 声は反対側のドアの方からだった。 私は顔を上げて驚いてしまった。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加