寂しさ

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朝食を終えて、自室に戻る。 朝食には斗真さん、菫さん、私の三人で食べた。他愛ない会話をして白百合にいた時より賑やかな食卓だった。 「あの時は一人だったからな…」 思わず胸の辺りをギュッと握る。 けれど…一人じゃなくても…寂しさを感じた。 それは多分私の前の席、鏡夜様の席が空いていたからだと思う。 ひさしぶり会ったばかりなのに、そう思うことは変なのだろうか その時、襖の向こうから「失礼します」と菫さんの声が聞こえた。 「姫様に用があると言ってらっしゃる方が来ています。斗真さんが春の間に案内したようなのですが…」 ?誰だろう…私に用がある人なんていたのか… 不思議に思いつつも、菫さんについて春の間に向かった。 「失礼します」 そう言って春の間の襖を開けると…どアップで男の人の顔が目の前にあった。 思わず腰が引けて後ずさる。その人は面白そうに「アハハっ!」と笑うと爽やかに微笑んだ。 「ゴメン、ゴメン。白百合家随一の美少女はどんな子か知りたかったんだよね~。いや~噂以上だわ~」 「は、ぁ…」 その人金髪と茶髪が混じったような綺麗な髪の人で目は薄茶色だった。顔立ちもとても整っていて、多分ハーフだろう。 「ささっ、来て来て」 おいでおいでをされて、その人の前の座布団に座った。 その人はゴホンと咳をして 「改めて、初めまして白百合さゆりちゃん。俺の名前は玲人・クリフォードっていいます、玲人って呼んでください」 「玲人・クリフォード…」 どこかで聞いたような…あっ!? 「もしかして、昨日いらっしゃった方ですか?」 「おっ、良く分かったね~!昨日は邪魔してゴメンね」 その人…玲人さんがゴメンのジェスチャーをする。 「それであの、用って…」 本題を戻すと、玲人さんは思い出したように「ああ!」と言って 「本当はさゆりちゃんを見るだけでよかったんだけど、斗真から話聞いて気が変わった」 玲人さんは私を見て何故か意味ありげな笑顔を向けた。 「今から鏡夜に会いに行こうか」
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