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『勢いのままのプロローグ』
車に轢かれた。当たり所が悪くて死んだ。
つい、昨日の話だ。
ふつーーーに青信号渡ってたら、右からものすごい衝撃。「もるすぁ」みたいなこと言いながら宙を舞った俺は地面に頭から落下。
当然ゴキャ♪っと逝った。
人生いろいろあったなぁとか思い返す時間も無かった。……まぁ、思い返してもどおせパソコンつついてる記憶しかないだろうが。
さて、ここからが重要なのだが。俺には今、何故か意識がある。
死んだ人間が何を言っているのかと疑問に思う人もいるかもしれないが、本当に意識があるし、記憶もある。
ただし、体は全く動かなかった。
目も開けられないし、腕や足も動かない。何かに縛られているような感覚だ。
だからこうして心の中で回想をしていたわけだが、それはもういいだろう。
さて、この状況になって既に30分は経ったと思うが、俺は一体どうしたらいいんだろう? 画面の向こうの皆さん、お答えください。
「何を初っ端からメタ発言しているのですか……」
どこかで声が聞こえたような気がした。いや、声というよりは頭に直接響くような言葉だった。
「あーテステス。聞こえてますか?」
聞こえていますが……貴方はどちら様で?
「私は……誰だと思います?」
ええー。じゃ、俺の母ちゃんで。
「私はあんなにブサイクじゃありません! 全く失礼な……」
失礼なのは絶対あんただよ。確かに俺の母ちゃんは街でも指折りのブスだけど。
「ブスなのは認めるんですか……。あら? そういえば貴方はそこまでひどい顔はしていませんね」
俺は父親似だからな。つか、そんな話どうでもいいだろ。
「そうですね。では本題に入りましょうか。心構えはいいですか?」
おk
「冷静ですね。流石は生前パソコンのしすぎで視力を0、01まで落としただけはありますね。では言います」
wktk
「貴方は死にました。しかしそれは我々のミスによるものです」
ナ、ナンダッテー。これってもしかして異世界転生物?
「よくわかりましたね。作者もいろいろ書くのが面倒なんでしょうか」
お前もメタ発言自重しろよ……。
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