3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「にしても、やっぱり一発じゃ起きないか」
普段は冷静沈着容姿端麗頭脳明晰ぱーへくとくーるびゅーてぃーなお嬢様であるが、寝起きがとてつもなく悪い。
中々起きないうえに、起きても三十分くらいは頭が覚醒せずにボーッとしている。
「しかし、この超完璧執事であるアイン様には関係ない」
俺レベルの執事になれば、そんなポンコツなお嬢様を起こすのも楽勝。
というわけで、まずは布団をめくりその中で寝ているお嬢様の隣に潜り込む。
そしてゆっくりとお嬢様の頭を上げてその下に腕を置いて腕枕をする。
あとは思わず胸キュンしてしまうようなイケメンボイスでーー、
「起きろよネージュ。もう朝だブゲェッ!?」
しゅ、手刀が! 手刀が俺の喉を突き刺した!?
「朝から随分と面白い事をしているわねアイン。馬鹿なの? 死にたいの?」
やっべえ、お嬢様の目が完全に養豚場で豚を殺す職人の目になってる。
これでまだ頬が少し赤かったりしたら照れているという選択肢もあるのだが、今のお嬢様はヤバい。
だがしかし、こんな修羅場は幾度と越えてきた。そんな俺に死角はない。
最初のコメントを投稿しよう!