バシレウス

11/36
前へ
/39ページ
次へ
「ハァハァ…なんとかなった!」 俺は走りながら呟く。でも早く逃げないとまずい。奏の件もあるがあの男ともう一度対峙するのはごめんだ。 路地の角を曲がろうとした瞬間。スーツを着た細身の男がちょうど角から出てきて立ちはだかった。さっきの奴とは別人だ。明らかに俺に敵意を向けている。肩ぶつけたくらいでキレやがってふざけんな! 「っ!!」 なめんじゃねえぞ! 「う、うああああああ!!」 俺は渾身の力をで地面を蹴り加速。そのままの勢いで男に突っ込む。頼む、発動してくれ! 「ふっ!」 男の声と共にズンっと腹に衝撃。 「がっ!!」 さすがに三回連続で能力は発動しないか。 見ると俺のみぞおちに男の拳がめり込んでいた。それを認識したと思ったらそこで俺の意識は途絶えた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加