バシレウス

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◆ 暗い空間で一つの大きな丸形の机を何人かの人物が囲んでいた。 「で、霧島くん。今回もしっかり成果は得られたかね?」 とその中の一人が言う。巨体を持った老いたの男だった。 「はい。今回は一番強力な能力を持つと思われる檻姫司にも接触できました。やはりまだ覚醒はできていなかったので今回はあまり能力を吸い取れませんでしたが、このまま行けば彼が覚醒する日も近いでしょう」 霧島と呼ばれた男は言い終わるとパチンと指を鳴らし、机の真ん中にディスプレイを空中投影させる。 「ついでに報告ですが、これを見てもらえればわかる通りシンミア02の能力は既に檻姫奏を超えたと思われます」 「ほぅ。予定より早いじゃないか。で、なにが言いたい?」 「察しがよくて助かります」 続けて霧島。 「私はですね、シンミア02の試運転も兼ねて檻姫奏にぶつけてみようと思うんですよ」 霧島の言葉が終わると静寂が訪れる。しかしそれは数人の声によって一瞬で崩された。 「いいんじゃないの。奏ちゃんって今まで邪魔だったんでしょう?シンミアで奏ちゃんを倒すことができれば能力も吸い取れて一気に性能も上がるし」 「で、でもでも……ま、まだシンミア02は完全に完成した訳じゃ、なな、ないし。01みたいにご、誤作動とかお、起こしたら……よく、ない気がする、し」 「んまぁー、俺はどっちでもいいかなァ。シンミアとか檻姫とかあんまし興味ねェし」 「静かにしろ」 しかしその数人の声も初老の男の声によって再び静寂に戻される。
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