バシレウス

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一体どうゆう事だ?疑問を頭に抱えながら俺は頭をかく。 「え?」 今、俺の身体が動いた……よな?確認のために手のひらを開いたり閉じたりしてみる。 「う、動いてる……っ!!」 今まで未来予知でこんな事はなかった。いつも見るこのモノクロの世界では俺以外の人やモノしか動かなかった。 「でも今度は逆って訳か……」 俺の未来予知能力自体訳のわからない能力だ。イレギュラーな事があっても不思議ではないか。ただここに突っ立ってるのもなんだ。 「少し歩くか」 とりあえずメイトに行ってみることに。俺はいつも近道で通る路地裏に入る。 「っうああっ!?」 が、足下が暗いからか、何かにつまずいてしまった。 「ったく。こんな時に……」 足下を見るとなにやら金属製の羽根のないダーツの様な物が落ちていた。 足下に気をつけて歩こう。 すぐそこの角を曲がる直前、足下にまたダーツもどきが落ちている事に気づく。 しかも一つだけじゃなく、数個落ちていた。 不気味だな、と思いながら角を曲がった時。俺の歩みは止まった。 目の前に居たのは妹の奏とスーツの男で、何故か奏には色がついていた。 いや、奏だけじゃない。スーツの男も色がついていた。局部的にだが、胸の中心に赤い色が集中している。 「え?」 俺が思わず声を漏らすとほぼ同時。ダンッ!!と乾いた音が鳴り、男の赤が広がる。 そして俺の足下にコロコロと金属の物体が転がってきた。さっきのダーツもどきだ。
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