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「芹沢はん!立派なお菓子、おおきに!」
一目散に芹沢に駆け寄った沙夜が目を輝かせて礼を言う。
「…ちゃんと好きなものを選べたか?」
「はい!姉はんが芹沢はんの気持ちやからって、綺麗な京菓子買うてくれはりました!」
みんな綺麗で可愛くて、選ぶのが大変やったと嬉しそうに話す沙夜に芹沢は目を細めて耳を傾ける。
「そうか。沙夜が選んだ菓子なら家族も喜んでくれるだろう」
大事そうに包みを抱えた沙夜に芹沢が手を差し出すと、沙夜は自然にその手を取った。
そのまま歩き出す二人を嘉月と新見が目で追う。
「…孫と爺さま?あだッ!」
「そんな歳でもないだろ。せめて父親にしろっての」
後頭部を叩いた手をぷらぷらさせながら、よろける嘉月の姿を新見が鼻で笑う。
「だって貫禄あり過ぎなんだもん。目に入れても痛くない、儂の最愛の孫~!くらいな雰囲気じゃない?」
離れてゆく二人を指差すと、つられて目をやった新見は暫く二人を見つめた後、無言のまま歩き出した。
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