第十話

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「…今、否定出来ないって思ったでしょ?」 「思ってない」 「すぐ反応するのが怪しい…芹沢~ッ!新見がね~もがっ」 「馬っ鹿ッ!てめぇ…俺が言ったようにする気だったろ?!」 慌てて口を塞いだ新見に抗議する様に嘉月がモゴモゴと口を指差す。 「離してやるから騒ぐなよ?」 「ぷはッ!そのセリフ悪人みたい…てか、そう思ったなら新見も同罪だからね?」 「俺は言ってないからな」 一緒にするなと新見が澄ました顔でまた歩き出した。 「一緒だっつ~の」 ぼやいた嘉月がその後を追い、すでに角屋の前で待つ芹沢達と合流する。 「…お前ら仲が良いのは構わんが往来でじゃれるのは止めろ」 待ってる間に見られたのか、開口一番芹沢が釘を刺す。 「そんなんじゃないよ。仲が良いって言うなら芹沢の方でしょ。まるで孫とじ…むぐ」 懲りない嘉月の口を新見が再び塞ぐ。
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