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「増えちゃうねぇ…。でも頼める?あとお梅さんってどんな人か知ってる?」
今度は嘉月が興味津々で身を乗り出した。
「お梅はんってお妾さんの?そらまぁ綺麗な娘はんやけど…」
「ど?」
更に嘉月が詰め寄る。
「綺麗で愛嬌もあらはるけど滅法気が強くて菱屋の本妻とも良くやり合って旦那はんも往生しとるらしいで?」
美人で愛嬌良くて気が強い…
「へぇ…中々良さそう。気が強いのは良いけど根性悪いとかじゃないんだよね?」
「あの娘は見かけに寄らずさっぱりした気性やから嘉月はんとは気が合うんちゃうやろか…?悪い娘やあらへんよ」
「分かった。じゃあさっさと貰っちゃお」
うふふ…と嘉月がほくそ笑む。
「なんやて?」
「こっちの話!着物の事、頼める?」
嘉月は念を押す様に女将に尋ねた。
「嘉月はん、うちの性格忘れはった?理由も聞かんと駒みたいに動くとは思ってへんよね?共犯者…なんやろ?」
じろりと女将が嘉月を睨む。
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