4739人が本棚に入れています
本棚に追加
/1534ページ
「ッ!に、新見はん!?もしかして聞いてはった?!」
「あ?俺は廁行く所だっての。女将…聞かれちゃまずい話でもしてたのか?」
にやりと笑う新見に女将はブンブンと首を振る。
「これ…新見も男だし聞いてみる価値あり?」
「止めなはれ!そういう事はなるようにしかならんの!うち、お茶の用意してこな…ッ!」
バタバタと立ち去って行く女将を二人は突っ立ったまま見送った。
「まだ話の途中だったのに…」
あ~あ、と嘉月が溜め息をつく。
「なんであんなに焦ってんだ?お前、どんな話してた?」
焦る女将に比べ、ただ驚いただけで平素と変わらない嘉月を見下ろして新見が問う。
「うん?男と女のアレな話…?芹沢って無理矢理したりすると思う?」
躊躇いもなく嘉月がさらりと話の内容を言ってのけた。
「はぁッ!?お前…真っ昼間から女がなんて話してんだよ…しかも無理矢理って…」
あり得ねぇ…と片手で顔を覆った新見が天を仰いだ。
最初のコメントを投稿しよう!