第十話

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「え~っと、簡単に説明するね?もし病気が潜伏してる状態だったら私が身体に触れたら光に包まれた状態になるの。光が消えたら終わり。それだけだよ。…はじめても大丈夫?」 「あの…光が出なかったら?」 不安気に母親が嘉月に尋ねてくる。 「うん?それは感染してなかったって事。とりあえず労咳とか関係なく悪い所があれば一緒に治っちゃうからやって損はないよ」 ついでの様な気楽さで嘉月が答えた。 「…よろしくお願いします」 胸元で手を握り締め、身体を固くした母親を嘉月が優しく抱き締めると、間もなく二人が光に包まれる。 「―ッ!」 母親が驚いて目をギュッと閉じるのを見て嘉月が安心させるように話し掛けた。 「光を見ても害はないから平気だよ?…はい、もう終わり」 ぽんぽんっと背中を叩いて嘉月が離れると母親がほっと息をついた。 「じゃ、次は弟くん」 目を丸くしている弟の背中を沙夜が軽く押して嘉月の元へと促す。 「…お姉はん、今のなに?」 じぃっと嘉月を見上げて尋ねて来た。 「今の光?あれは身体の中の病気の元を退治したの」 視線を合わせる為にしゃがんだ嘉月が弟に答えた。
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