序 章

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    ―*―*―*― 「……暑っ」 昼間の美咲との会話をぼんやり反芻していたせいか、長風呂になってしまったらしい。 私は冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターを1本取り出し口に含むと一息つき、風を入れるべく窓をカラリと開けた。 その時、目に飛び込んで来たのは皓々と光を放つ満月。 そして、ある方向に一筋だけ伸びた淡い光だった―― 『月を見てろ――』 脳裏を過る、夢で言われた言葉…… 此処に来い……道を示す……月――― アレは現実? 淡い光は……示された道? 私は……どうしたい?
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