第二十話

29/96
4729人が本棚に入れています
本棚に追加
/1534ページ
「解らないんです…私には。血の繋がりだって意味を成さないのに、気持ちなんて当てにならない最たる物なのに……それでもそこに、気持ちにすがるしかないんです」 だからこそ、恐い。 変わる物と知っていればこそ嫌われ、不要とされるのが何よりも―… 沖田の口が引き結ばれ、場に静寂が降りる。 言葉を遮られた斉藤も続きを口にする気配はなく―… あぁ、面倒臭ぇ…… 立ち去る事も憚られる雰囲気に溜め息を吐いた。 「なんで俺にそんな事を話す?」 生活の場を共にするようになり、幹部連中の人となり位は理解したつもりでいたが、奥深くまで理解しているのかと言えば否だ。 好き好んで生い立ちを聞く趣味もないし、話す趣味もない。 そもそも人選がおかしい。 相談するならもっと適した人間がいるはずだ。 近藤や土方、井上…… 関わりが深いあいつ等向きの話だろ?
/1534ページ

最初のコメントを投稿しよう!