プロローグ

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泣きながら聞いた歌のことを思い出す。 朝の活気のあるざわめきの中で、授業中のだるい空気の中で、夕方のすべてが橙色に染まる時間の中で。 わたしはそんな時、いつもどうしていいのか分からずに呆然としてしまう。 泣きたいような、逃げ出したいような、なぜかホッとするような、色んな気持ちが一度にあふれてしまうから。 陽斗、ごめんね。 わたしは覚悟したはずなのに、しょうがないって思ったはずなのに。 やっぱりあなたを思い出してしまうんだ、あの歌と一緒にいつも。
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