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「なんか焦るよね~」 「なにが?」 わたしの答えに菜美は眼をむいた。 「なにがじゃないでしょ~!あたしたちもう高2だよ!?人生のピークよ!?なのに彼氏どころか出会いもないし。このままじゃダメってこと!」 高2が人生のピークかどうかは不明だけど、菜美の言うこともよく分かる。 「でもさ、出会いなんてどこにあるかわかんないよ。もしかしたら3秒後に出会っちゃうかも…。」 「はい3秒たった、でも誰とも出会わなかった。こうして人生って過ぎてくんだよね…あ、あたしここだ」 教室の前で足を止めた菜美は手を振って、 「ま、頑張りますか。また放課後にね彩香」 ほ、放課後…。 振りかけた手が思わず止まる。 わたしは最近放課後、つまりは部活が憂鬱。 でもそんなの、せっかく吹奏楽部に誘ってくれた菜美には言えないし。 「了解。また後でね」 とりあえず笑顔を作ってやり過ごすしかなかった。
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