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8組は廊下の一番奥。 大きく開いた廊下の窓からは柔らかな春の空気が流れてくる。 菜美には軽く言ったけど、わたしはけっこうそんな「出会い」を信じている。 突然目の前に出会いが降ってくること。 いわゆる運命の出会い? たとえば3秒後…、 3・2・1 「…きゃっ!!」 とたんに突風がドッと窓から吹き込んできて、目の前に無数の桜の花びらが舞った。 「わあ、すごい・・・。」 風でグチャグチャになった髪の毛にも気づかず、そのきれいさに見とれた。 廊下が春でいっぱいだ・・・。 何気なく窓の外に目をやった時、 「・・・あれ?」 窓から見下ろした中庭には、桜の木が1本生えている。 さっきの花びらはその木から散ったらしい。 その桜の木の陰に、誰かがいた。
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