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数日後のことだった。
茜色に染まった空を眺めつつ、ブラインドを閉めた。
時刻はまだ17時半だ。
定時に帰れるなんて嬉しい。
ロッカーに向かっていると、廊下で坂井と出くわした。
「リカさん」
「何よ」
坂井の後ろにある曲がり角は、階段へ繋がる通路だ。
帰宅モードに入った社員が、まばらにそこへ向かっている。
「上山さんからパターン貰ってきたんですけど」
坂井は丸めた紙を私に見せた。
「だから?」
「生地の裁断ってどうすればいいの?」
「明日、水野さんに教えてもらったら?」
「間に合うかな。
サンプル縫いの予約、明日しか空いてないって奈々さんに言われたんだけど」
「えぇっ!?明日……?」
「そう、明日」
坂井は悠然と頷いた。
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