二人の恋

7/20
前へ
/72ページ
次へ
その時だった 桜の口が瀬戸の手によって塞がれた 「なにしてんだ、こら」 はっとする詩織 「なななな!なにしようとしてるんですか先生!!」 やっと我に帰る 「ごぉめんごぉめん!可愛くってぇ!」 「か、可愛いですか…」 「ごめんね幸也ーキスしようとしちゃって!」 そう言って 桜は瀬戸の頬へ軽くキスをした 「大丈夫!幸也だけだよ」 「なっ…!」 ──こいつ…一体何を考えてやがんだあああああ!!!!!!!!!! 「おい桜!!なにしてんだよ!」 マジギレする幸也を横目に 桜は詩織の表情を伺う 詩織は切なそうな顔をしていた ──やっぱり 桜は心の中でそう呟くと 「ゆーくん、悪いけど私のデスクの上の書類職員室に持って行って」 ──さっきからどんな風の吹き回しだ! そして前の名前で呼ぶんじゃねぇ! 「んなことよりなんだよさっきの! 職員室なんて行くかよ!」 瀬戸は怒っている 桜が頬にキスしたこと ただそれだけでこんなにも怒っている ──それはきっと 見られた相手が詩織ちゃんだったからね
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加