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その時だった
桜の口が瀬戸の手によって塞がれた
「なにしてんだ、こら」
はっとする詩織
「なななな!なにしようとしてるんですか先生!!」
やっと我に帰る
「ごぉめんごぉめん!可愛くってぇ!」
「か、可愛いですか…」
「ごめんね幸也ーキスしようとしちゃって!」
そう言って
桜は瀬戸の頬へ軽くキスをした
「大丈夫!幸也だけだよ」
「なっ…!」
──こいつ…一体何を考えてやがんだあああああ!!!!!!!!!!
「おい桜!!なにしてんだよ!」
マジギレする幸也を横目に
桜は詩織の表情を伺う
詩織は切なそうな顔をしていた
──やっぱり
桜は心の中でそう呟くと
「ゆーくん、悪いけど私のデスクの上の書類職員室に持って行って」
──さっきからどんな風の吹き回しだ!
そして前の名前で呼ぶんじゃねぇ!
「んなことよりなんだよさっきの!
職員室なんて行くかよ!」
瀬戸は怒っている
桜が頬にキスしたこと
ただそれだけでこんなにも怒っている
──それはきっと
見られた相手が詩織ちゃんだったからね
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