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そんな詩織を横目に
「先行くぞ」
そう言って歩き出す瀬戸
「瀬戸!!お前って奴はなんて残酷な奴!!」
そう言って詩織は
追いかけた
すると瀬戸は急に立ち止まり
詩織は瀬戸の背中に激突
「いてぇ…急に止まんなぁ!!」
「あ、いや、このまま一緒に帰ったらバレるなと思って。
うーん、人気のない路地通って帰るか」
その言葉に
詩織は急に元気を無くした
──当然のことだ
これは当然のことなんだ
もしバレたら私だって困るし。
でも…
瀬戸、そんなに桜先生が好きなのかな
桜先生にそんなにバレたくないのかな
なんて余計なことを考えてしまう
ただの考えすぎだってわかってる…だけど……
「…帰る」
そう言ってスタスタ歩き出す
傘も、ささないまま。
「おい、待てよ!」
そんな詩織の腕を掴む瀬戸
「どうしたんだよ?」
「なんでもないよ
たまには雨に濡れて帰るのもいいかなって思っただけ」
「はぁ?風邪ひくだろ?」
確かに自分何言ってるんだろうと
詩織は思った
「いーの!離して」
2人が言い合っていると
詩織の頭上を見慣れない別の傘が覆った
その傘を持ってる人物の方を向く2人
「こんにちは。佐々木詩織ちゃん、だよね?」
彼はそう言ってにこっと笑った
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