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──ある日の平日
瀬戸は…学校ではなく病院にいた
学生服にリュックを背負い
名前を呼ばれる順番を待つ
奥の部屋から看護師が顔を出して
呼びなれた声で言った
「瀬戸くーん」
「あぁ、はい 」
立ち上がり看護師のいる部屋と入っていく
「瀬戸くん、職場で会うなんて変な感じね」
その看護師とは詩織の母親、光子だった
「そうっすね。」
今日は初めての病院
…初めてのホルモン注射だった
「痛っ…」
注射が終わると
「いやー今日は記念すべき日ね!
副作用で気持ち悪くなったりするかもしれないけど、心配ないからね」
光子は笑顔でそう言うと
「ありがとうございます」
そう言って出ていく瀬戸を笑顔で送り出した
副作用にはいろいろあるらしい
性欲、ニキビ、火照りや太る…など
ハゲたりもするらしい
しかしそれは親などの遺伝にもよるらしく
幸いにも瀬戸の父親は
髪の毛ふさふさ
瀬戸がガッツポーズしたのは言うまでもない
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