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『ごめんなさい。好きな人ができたの…』
『……そっか…。ソイツと、…幸せになれな』
『…ん…』
ー♪~♪
「……」
携帯のアラーム機能が、設定しておいた時刻になったことを告げる。
手探りでソレを止め、ベッドから体を引き離す。
「はあ…」
まただ…。
あの日からもう1年半も経つってのに…。
女々しいにもほどがあるな…。
そんな自分に呆れつつ、仕事に行くために着替えをすることにした。
窓から差し込む光が、今日は快晴だということを知らせる。
4年半も付き合った彼女との関係に終止符を打たれた日も、こんな澄み渡るような青空だった。
まるで、これから新しい出来事が起こることを予感させるような、そんな青空。
けれど、あの日は─。
「…」
またため息が出そうになった時、突如、着信を知らせる音楽が阻止するかのように部屋中に鳴り響いた。
「─はい、なが─」
「おっはよーっ!」
「っ…!!?」
思わず携帯を耳から遠ざけ、顔をしかめた。
…ホント、朝から元気なヤツだな…。
携帯からこぼれ落ちる言葉を少し眺めてから、ゆっくりと耳元に近づける。
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