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「…隆弥、うっさい…」
そう言葉にすると、声を落として謝ってきた。
相変わらずっていうか、なんというか…。
「で、どうしたわけ?」
「あのさ、今日お前、ヒマ?」
「ああ、仕事次第になるけど」
「マジ!? じゃあ仕事終わったら“霊原”っていうレストランまで来いな♪」
「たまはら…?」
どこにあるんだ、そんなレストラン…。
電話の主に“霊原”の居場所を聞こうとするより早く、プツッと通話を終了されてしまった。
「…なんだったんだ、一体…?」
そう思ったが、後で調べればいいかと思い直し、急いで部屋から駆け出した。
─この時はまだ、なにが起こるかなんて知らなかったんだ。
何もかも、自分のすべてが小さかったことにも。
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