大地 そして空

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「ふうん? おじいちゃんは今どこにいるの?」 「わたしはどこにでもいるからね。 お前のはるか上に広がるのも、わたし。 お前の中に広がるのも、わたし。 今この瞬間も、わたしはいろんなところにいるんだよ」 「そうなの? いつも、こうやってお話ししてくれるけど、おじいちゃんがどこにいるのか、全然わかんない」 「ははは、お前の中のたくさんの者達に、お前のいる場所がわからないのと同じだよ」 「アタシ、おじいちゃんのお顔が知りたいのに」 「わからなくてもいいんだ。すべてを知る必要はないんだよ。 お前はいい子だ。そのままのお前で、みんなを愛してゆきなさい」 「ねえおじいちゃん、おじいちゃんは、 ――だあれ?」 「わたしかい? わたしは――」
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