クスノキ

12/13
前へ
/37ページ
次へ
あの子の母親が、私の身体にあの子を産み付けてくれたのは、きっとこのためだったのね。 私にあの子を出会わせるために。 私が淋しくないように。 私がこれからずっと、小さな子達をゆったりと愛してゆけるように。 私が小さな子達をただ見ているだけではないと、 それを気づかせてくれたのね。 私、ずっと愛されてた。 ずっと愛してたのね。 小さな子達、みんな。 ありがとう。 大好きよ。 私の足元で育っているすべての子達に、次からはためらわずに、声をかける。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加