ツクツクボーシ

3/13
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
眩しい……。 ボク、目が見える! 初めて見る外の世界は、すべてが輝いていて、美しかった。 お陽さまが昇って、風が流れて。 風に押された雲が、時折お陽さまを隠すと、いろんなものが、また違う色になる。 お陽さまが山の向こうに沈んで、代わりに細い細いお月さまが、赤い空にぶら下がるまで、 その日のボクはよじ登ったその場所でそのまま、ただボーっと、外の光と空気を、肌で感じてた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!