ツクツクボーシ

4/13
前へ
/37ページ
次へ
次の日、またお陽さまが顔を出したら急に、 ひとつの気持ちが衝き上げてきて、ボクは我慢できなくなった。 歌いたい! ボク、歌えるのかな? でも歌いたい。歌いたい! さわさわと音を立てた風が、ピンと伸びたボクの背筋を揺すって、囁いた。 「声を出してごらん」 そう聞こえた。 ――声が出せるの!? どうやったらいいのかもわからないまま、ボクは身体に力を入れた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加